フォーミュラE

日産フォーミュラEチーム、厳しいレース環境となった上海E-PRIXで貴重なダブルポイントフィニッシュを達成

2025年6月1日

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日産自動車株式会社(本社:神奈川県横浜市西区、社長:イヴァン エスピノーサ)は、同社の日産フォーミュラEチームが参加した、上海インターナショナルサーキットで開催されたABB FIAフォーミュラE世界選手権のダブルヘッダーで、貴重なポイントを獲得したことを発表しました。厳しいコンディションの中、オリバー ローランドとノーマン ナトーは、ピットブーストが導入された土曜日の第10戦でダブルポイントフィニッシュを達成しましたが、大雨の中での開催となった日曜日の第11戦ではパフォーマンスを発揮するチャンスを掴めませんでした。

土曜日の第10戦で日産チームは、フリープラクティス2では厳しいスタートとなりましたが、めざましいレ-ス展開を見せました。ランキング首位に立つオリバー ローランドは、過去9戦の予選のうち8回目となるデュエルに進出し、6番手に並びました。一方、チームメイトのノーマン ナトーは15番手からのスタートとなりました。

ローランドは、スタート直後に首位争いに加わり、最初の連続するコーナーを抜けると2位に順位を上げました。エネルギーの節約が重要なペロトンスタイルとなったレースでは、先頭集団にいるローランドを含む複数のドライバーが順位を激しく入れ替えながら競い合いました。この間、ローランドは6周目に他車から接触を受けましたが、見事に立て直しました。ピットブーストが開始されると、ローランドは多くのライバルよりもやや遅れてピットインし、トップ3に復帰しましたが、レース終盤でも先頭の複数の車両が熾烈な順位争いを繰り広げ、ローランドは惜しくも表彰台を逃し、5位でフィニッシュしました。

一方、ナトーは序盤でペースを巧みに管理し、レース全体で他のドライバーよりも多くのエネルギーを節約しました。ピットブーストを終えた後、トップ10に進出し、さらに順位を上げていきました。最終段階では、ナトーの優れたマネジメントにより、ローランドと共に表彰台争いに加わり、最終的にはローランドの5位に続く、6位でゴールしました。

日曜日に行なわれた第11戦は土砂降りの雨となりましたが、日産フォーミュラEチームの二人はフリープラクティスセッションで素晴らしいペースを示し、天候の影響でセッションが中断される前に、ともにトップ10に入りました。しかし、予選では不運にもセッションが進むにつれてコンディションが悪化し、ローランドは最終ラップを断念せざるを得ず、グリッド15番手となり、ナトーは強まる雨の中でランクアップできず、21番手で予選を終えました。

ウェットコンディションの中、遅れて開始されたレースはセーフティカーの先導でスタートしました。8周目にローリングスタートしましたが、厳しいトラックコンディションにより、ローランドとナトーは順位を上げることが難しく、それぞれ13位と21位でフィニッシュしました。

土日の結果を受け、ローランドはドライバーズランキングで171ポイントを獲得、2位とは68ポイント差を保持し、依然として複数回の優勝を獲得した唯一のドライバーです。日産フォーミュラEチームは、チームランキングで190ポイントを獲得し、1位とわずか1ポイント差の2位になりました。また、マニュファクチャラーズランキングでは285ポイントを獲得し、首位を維持しています。

日産フォーミュラEチームのマネージングダイレクター、およびチームプリンシパルであるトマソ ヴォルペは以下の通りにレースを振り返りました。「全体的に波乱の多い週末でしたが、土曜日のレースでダブルポイントフィニッシュを達成できたことには満足しています。フリープラクティスと予選で、これまでのような好調な結果を出すことはできませんでしたが、接触やトラブルなくレースを終えられました。特にナトーは15位スタートから一時トップ3に進出し、周囲の車両よりも多くのエネルギーを残していました。残念ながら、最終ラップの混乱の中でフルポテンシャルを発揮できず、ローランドが5位、ナトーが6位でゴールしました。
日曜日のレースでは、後方スタートとなり、極端なコンディションの中で追い越しが非常に難しく、トップ10に進出することは不可能でした。チーム全体にとってはフラストレーションの溜まる日でしたが、ドライバーズとマニュファクチャラーズランキングで首位を維持しています。一方で、チームチャンピオンシップでは1ポイント差でリードを失いましたが、まだ5レースが残っており、すべてのタイトルを獲得するために最後まで戦う準備は整っています。」

オリバー ローランド

「日曜日の結果は残念でしたが、全体としてはポジティブな週末でした。土曜日のレースは私の得意なコースではありませんでしたが、強い緊張感のある中で戦い、5位という結果を得られ満足しています。ピットブーストが導入された土曜日のレースは、ペロトンスタイルのラウンドとなったため、効率的な走行をすることが難しかったうえに、フリープラクティスから強いペースを発揮できていなかった状況で、10ポイントを獲得できたのはチームの素晴らしい努力の賜物です。日曜日のレースは正直に言うと、これまでで最も厳しいレースの一つでした。水しぶきの影響で視界が遮られ、これ以上の走りは不可能でした。それでも、私たちはすべてのランキングで上位におり、シーズンの終盤に向けてランキングのポジションをさらに強化することに集中します」

ノーマン ナトー

「土曜日のレース内容と獲得したポイントには満足しています。表彰台を逃したのは残念ですが、18位スタートからポジションを上げ、ポイント獲得を成し遂げられてうれしく思います。日曜日は雨の中で苦戦し、異なるセットアップでレースに臨みましたが、ペースとグリップが足りませんでした。今シーズンの初めに同様の条件の際には良いパフォーマンスを発揮することができましたが、私たちにとって好ましい状況ではありませんでした。難しい一日でしたが、フォーミュラEではペースや結果が日ごとに大きく変わることがあるのが現実です。ジャカルタに向けてこれを糧にし、チームランキングの首位を取り戻したいと思います」