大荒れのレースをMOTUL AUTECH GT-Rが制する

大荒れのレースをMOTUL AUTECH GT-Rが制する

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2020年 8月 24日

予選日同様、決勝日も強い日差しで気温も路面温度も大きく上昇しました。13時にフォーメーションラップが始まり、52周の決勝レースがスタート。#23 GT-Rのスタートドライバーを務めるクインタレッリは、シグナルグリーンと共にトップの車両にプレッシャーをかけていきます。3位、4位のマシンも近づき、集団でのトップ争いになるかと思われたところで、GT300車両がS字コーナーでクラッシュしたため、早々にセーフティカー(SC)が導入されることになりました。SCがピットレーンに向かいレースが再開されたのは5周目。そのシケインコーナーで1台にかわされ、#23 GT-Rは一旦3位に後退します。クインタレッリはここからチャンスを狙い、上位のマシンに食らいついていきました。13周目のヘアピンコーナーでGT300クラスのトラフィックを巧みに利用し1台をオーバーテイク。14周目のダンロップコーナーでさらに1台をとらえ、ついにトップに躍り出ました。

 

その後、#24 GT-Rのボンネットが外れるアクシデントが発生し、そのパーツを回収するために17周目に2度目のSCが導入されました。それまで3秒以上に広げていた2位との差がなくなってしまいますが、#23 GT-Rはトップをキープ。23周目に2位のマシンが先にピット作業に向かい、#23 GT-Rはその翌周にピットイン。チームもミスのない作業で松田に交代したマシンを送り出し、ピットアウト直後にはホームストレート1本分のギャップを作りだしていました。

全車がピット作業を終え、#23 GT-R27周目に名実ともにトップに浮上。29周目に3度目のSC導入後に2位のマシンに一時迫られますが、ペースを崩すことなく周回を重ねると、終盤は10秒近いギャップを作りだしてトップチェッカーを受けました。

予選10位の#3 GT-Rは平手がスタートドライバーを務め、着実に周回を重ねていきました。22周を終えてピット作業へ向かうと、暫定12位でコースに復帰。1周あとでピット作業に入ったマシンが、千代の目前でコース復帰します。これを一気に抜き去りポジションアップ。全車がピット作業を終えた時点で8位に浮上しました。3度目のSC導入後、34周目にレースが再開すると、接近していた7位のマシンとテールトゥノーズのバトルを展開します。35周目に上位の車両が1台後退したため、2台の争いは6位争いへと発展。前を走るマシンよりもペースは勝っていたものの、なかなか突破口を開けずにいましたが、レース終盤のシケインで逆転に成功しました。6位に上がった#3 GT-Rはさらに5位のマシンにも僅差まで迫りながらチェッカー。6位フィニッシュで3戦連続入賞を果たしました。

#24 GT-Rはマーデンボローが前半スティントを担当。序盤にボンネットが外れるアクシデントに見舞われますが、ピット作業で修復を行い、トップと同一周回で11位フィニッシュとなりました。

#12 GT-Rは平峰がスタートドライバーを務めて15位からスタートしました。しかし、序盤にマシントラブルが発生しピットイン。ピットで修復作業を終えるとコース復帰し、6周遅れながら12位となりました。

 

ロニー・クインタレッリ

「実は柔らか目のタイヤだったので、1周目で頑張ってトップに立ちたかったのですが、ポールスタートのマシンにはうまくブロックされてしまいました。その後、38号車に抜かれてしまいましたが、思ったよりもペースが良くてついていけたので、抜き返すことができましたね。ヘアピンコーナーでGT300クラスのトラフィックを利用して抜き返したのは、僕のスティントのターニングポイントでした。SCのタイミングもあって、僕の判断で予定より早めにピットに入りました。(松田選手に代わって)トップでレースに戻れるとは信じていましたが、実際戻れてホッとしました。2年ぶりに優勝できて、すごくうれしいです」

松田次生

「今回はクルマのセットアップ、持ち込んだタイヤが非常に良かったです。ロニー選手のスティントで、ピックアップが付いたときに苦しそうだったので、僕のスティントではピックアップがつかないように、SC中は気を付けていました。リスタート後は自分を信じてプッシュして、最後に飛ばしすぎて少し苦しかったのですが、序盤にマージンを作っておいた分うまく走れましたね。GTの最多勝記録も伸ばせてホッとしています。なかなか勝てないレースが続いてプレッシャーがある中、今回優勝できて本当に良かったです」

鈴木豊監督

「今回はレースウィークを通して、想定以上のパフォーマンスが発揮できました。ドライバーの2人も、クルマに非常に手ごたえを感じていて、予選でもいい位置につけることができました。変な小細工はせず、思い切っていこうという気持ちでレースに臨み、いいバトルをしたうえで勝ったレースですね。ドライバー達もとても嬉しいでしょうし、我々も非常にうれしいです。ミシュランタイヤさんも、『厳しい条件でパフォーマンスを出せる』というミシュランタイヤらしさ、良さが出ました。これは次戦以降にもつながる成果でした。優勝してウェイトを積むので、次戦は厳しくなると思いますが、我々だけでなく、日産勢4チームで高いパフォーマンスを発揮して、ライバルメーカーの独走を阻止できるよう頑張ります」

GAINER TANAX GT-Rが総合力で逆転勝利

決勝日のコンディションは、気温32℃、路面温度48℃。陽炎が立ち上るほどの暑さの中、決勝レースがスタートしました。#11 GT-Rは安田がスタートを担当。オープニングラップで後方のGT300マシンがコースアウトし、その車両回収のためにレースは早々にセーフティカー(SC)が導入されました。

5周目にレース再開。安田は再開後の接近戦の中でひとつ前を走る#10 GT-Rをオーバーテイクし6位に上がると、さらに5位のマシンを追いかけました。15周目に、コース上に落ちてしまったGT500車両のパーツを回収するために2度目のSC導入。21周目にレースが再開すると、上位勢が一気にピットになだれ込み、#11 GT-R3位にポジションアップします。その後、24周目にドライバー交代のためにピットイン。メカニックたちが迅速な作業で送り出した#11 GT-Rは、見た目上の順位は16位でしたが、まだドライバー交代を行っていない車両を除いた中で実質2位に上がっていました。

その後、27周目に3度目のSCが導入され、32周目にリスタート。この時点で5位を走行していた#11 GT-Rは、33周目のスプーンコーナーで実質トップを走っていた車両をとらえます。そして、すべての車両がピット作業を行った34周目にはついに名実ともにトップに浮上しました。

その後は、2位以下のマシンがポジション争いをしていたこともあって、後続とのマージンを築いた状態で周回を重ね、見事にトップチェッカーを受けました。#11 GT-Rは開幕戦の2位表彰台と今大会の優勝で35ポイントを獲得し、ドライバーズランキングもトップに浮上しました。

予選3位からスタートした#56 GT-Rは、前半スティントの藤波がポジションを守り切って21周目にピットイン。後半戦をオリベイラに託します。ピット作業で#11 GT-Rにかわされてしまった#56 GT-Rですが、オリベイラは再びポジションを取り返そうと攻めの走りで#11 GT-Rに食らいついていきました。しかし、終盤にはタイヤの消耗も進み、後方からのライバル勢の追撃を防ぐ展開になってしまいます。3台での2位争いでなんとかポジションキープに努めていましたが、47周目のデグナーで後続に押し出されコースオフ。なんとか戦列復帰はできましたが、タイヤの状況が厳しく、残念ながら順位を落とすことになり、その後も懸命に周回を重ね、9位となりました。予選6位スタートの#10 GT-Rは表彰台まであとわずかの5位にポジションアップしてフィニッシュ。#360 GT-R11位、#48 GT-R22位となりました。

#11 安田裕信

「今回は、サーキットに入るまではあまり自信がなかったのですが、走り始めたら調子も悪くなく、予選のQ1ではいいタイムを出すことができました。決勝は気温も上がってタイヤに厳しいコンディションでしたが、ルーティンのピット作業でチームが素晴らしい仕事をしてくれました。クルマとタイヤのパフォーマンスで、今回はうまくいけば表彰台は狙えるかもと思っていましたが、優勝は正直想定外だったので、嬉しさも大きいです」

#11 平中克幸

SC明けのピット作業だったので、ピットロードが混雑している中で大きくポジションアップしたことが今回の最大の勝因だと思います。僕自身も驚きました。これまで、夏場の鈴鹿ではハンディウェイトを積んでいたこともあってなかなかいい結果が出せないでいましたが、チームとしてもホームコースと言っていい鈴鹿で、今回ようやく結果を残すことができてとても嬉しいです」

 

 

Images: GTA