スーパーGT

予選1-2で速さを示したNissan Z NISMO GT500。#23 Zと#3 Zが入賞

2025年10月20日

5分間で読みます

日産自動車株式会社
日産モータースポーツ&カスタマイズ株式会社

10月19日 オートポリス(大分県)

2025年SUPER GTシリーズ第7戦が大分県、オートポリスで開催されました。予選1位の#3 Niterra MOTUL Z(佐々木 大樹 / 三宅 淳詞)、2位の#23 MOTUL AUTECH Z(千代 勝正 / 高星 明誠)は序盤快走し1-2体制でレースをリードしましたが、セーフティカーやピットインなどレース展開と戦略が噛み合わず、#23 Zが6位、#3 Zが7位となりました。

 

2025年シーズンは残り2戦となり、第5戦鈴鹿、第6戦SUGOと連勝を果たした日産/NISMO陣営は、好調の勢いをもって勝利を重ねるべく4台のNissan Z NISMO GT500が第7戦の3時間レースに挑みました。第7戦は規定により、ランキングポイントと同じ重量、すなわち従来に比べ半減したサクセスウェイトとなります。これにより、#23 Zに29kg、#12 TRS IMPUL with SDG Z(平峰 一貴 / ベルトラン・バゲット)に28kg、#24 リアライズコーポレーションADVAN Z(松田 次生 / 名取 鉄平)に21kg、#3 Zに17kgのサクセスウェイトが課されました。

 

【GT500】
#3 Zがポールポジションを獲得
#23 Zが2位で、NISMO勢がフロントロウを占める

 

予選
10月18日(土)、オートポリスは午後から不安定な天候となり、予選開始時には小雨が降り始め、ウェット宣言が出される状況となりました。午後3時33分、気温20度、路面温度24度で路面はドライとウェットが混ざる難しいコンディションとなり予選Q1がスタートしました。路面状況を見極めながら、各車ウォームアップ周回を経てアタックを開始。Nissan Z NISMO GT500勢は4周目にアタックし、#3 Zの三宅が1分32秒638をマークし2番手、#23 Zの高星が1分33秒001で4番手につけました。#12 Zの平峰は1分33秒332で8番手、#24 Zの松田は1分33秒339で9番手となり、僅差の戦いのなか、Nissan Z NISMO GT500勢は4台全車がQ2進出を決めています。

 

午後4時17分から開始されたQ2では、路面状態の改善によりドライタイヤでの走行が可能と思われましたが、出走直前に雨足が強くなり全車ウェットタイヤに交換。雨足が徐々に強くなる状況となり、早めにコースインした#23 Zの千代は4周目に1分39秒845でトップタイムをマークしました。その直後、#3 Zの佐々木は#23 Zを上回る1分38秒460の好タイムをたたき出し、トップを奪います。セッション終盤は雨がさらに強まり、NISMOの2台による1-2が確定し、フロントロウ独占という好位置を得ました。#12 Zのバゲットは4周目に1分40秒642で5位、#24 Zの名取は激しい雨で4周目にタイムアップを果たせず、3周目の1分44秒048がベストラップとなり、9位で予選を終了しました。Nissan Z NISMO GT500勢は3連勝に向けて絶好の態勢を築き、長丁場となる3時間の決勝レースに臨みます。

序盤をリードするも、レース展開が味方せず
#23 Zが6位、#3 Zが7位で入賞を果たす

 

決勝
10月19日(日)決勝日、それまで青空がのぞいていた空には厚い雲が広がり、後に降雨の予報もあるなか、決勝レースを迎えました。午後1時10分、気温22度、路面温度25度のコンディションで、2周のフォーメーションラップがスタートし、3時間の決勝が始まりました。フロントロウからスタートした#3 Zの佐々木と#23 Zの高星はそのポジションを守り1-2体制を作り、後続を離してレースをリードします。5番手スタートの#12 Zバゲットは、スタート直後の1コーナーで他車と接触。相手がスピン、コースアウトしたことで#12 Zは4番手にポジションを上げました。これにより9番手スタートの#24 Z松田も8番手となっています。しかし、この接触により#12 Zにドライブスルーのペナルティが科されることになりました。12周目、#24 Zが他車と接触しコースアウト。マシンにダメージを負った#24 Zはリタイアとなりました。このアクシデントでフルコースイエロー(FCY)が発動され、その後セーフティカーが導入されました。後続とのマージンを失うこととなった#3 Zと#23 Zですが、17周目にレースが再開されると、再びペースをあげて1-2体制を築き上げました。#12 Zはレース再開とともにピットインしドライブスルーペナルティを消化し、ポジションを大きく落としています。

 

小雨が局地的に降り始めた25周目、#23 Zはハイペースで追い上げてきたクルマにポジションを明け渡し3番手に後退。さらに28周目には#3 Zも首位の座を明け渡しました。29周目、バトルでコースオフした#23 Zがピットイン。ドライバー交代はせずにトラブルの修正とタイヤ交換、給油を済ませて再びコースに戻りました。32周を終え#12 Zが、35周を終え#3 Zが1回目のピットインを行い、ともにドライバー交代も行いました。長丁場の3時間レースということで、GT500クラスでは1回目のピットインを戦略的に行い、そのタイミングの幅が大きくなりました。GT500クラスの全車が1回目のルーティンピットインを終えた41周終了時点で、#3 Zの三宅は8番手、#23 Zの高星は9番手、#12 Zの平峰は13番手を走行しています。

50周を過ぎると、早めにピットインしたマシンのペースと後からピットインしたマシンのペースの差が出始め、ペースが徐々に落ち始めたマシンに詰まる形で各車が接近する状態となります。#3 Zと#23 Zも4台の激しいバトルとなり、51周目にストレートで3台が横並びになるポジション争いが展開されました。この戦いで#23 は7番手に浮上し、#3 Zは1台をパスし、1台にパスされ8番手になっています。58周を終え#3 Zが2回目のピットインを行います。翌59周終了時には#23 Zがピットインし、ドライバーは千代に交代しました。69周を終え、GT500クラスの全車が2回目のルーティンピットインを終えた時点で#23 Zの千代は6番手、#3 Zの三宅は7番手、最後に2回目のピットインを行った#12 Zの平峰は12番手となっています。

 

レース終盤、Nissan Z NISMO GT500勢はポジションを上げるべくペースを上げますが、コース上を埋めるタイヤかすを拾ってしまうピックアップや多くのGT300車両をパスすることでペースを上げきれず、#23 Zは6位、#3 Zは7位、#12 Zは11位でレースをフィニッシュ。勝利を狙って臨んだレースでしたが、Nissan Z NISMO GT500勢としては2台が入賞という結果になりました。今回は悔しい結果に終わりましたが、日産/NISMO陣営は2週間後に迫るシーズン最終戦に向けて、またサクセスウェイトが0となる戦いでNissan Z NISMO GT500のポテンシャルの高さと速さを示すべく全力を尽くします。

 

千代 勝正 選手(#23 MOTUL AUTECH Z)
「序盤は狙いどおりの展開に持ち込めたのですが、ステアリング系のトラブルが出てしまい、高星選手のスティントの途中で交換しなければならなくなりました。僕が担当した最終スティントではタイヤを温めきる前にFCYが出てしまい、リスタート時にライバルに抜かれてしまったのはちょっと痛かったですね。でも、すぐにコース上でポジションを取り戻すことができた点は良かったと思います。勝つつもりでこのレースに臨んでいたので、結果は残念ですが、最終戦でもう一勝できるように、チームとともに一生懸命取り組みます」

 

高星 明誠 選手(#23 MOTUL AUTECH Z)
「ステアリングのトラブルで意図していないエンジン制御で走らざるを得なかったので、燃費やタイヤのケアという意味では少し辛かったですね。ブレーキをロックさせてしまい、順位を落としてしまったのは僕のミスで、チームに申し訳ない気持ちです。ステアリングを交換したセカンドスティントではペースが良くて、首位のパックに追いつけたので、タイムという意味ではロスを取り戻せたのかなと思います。今回のレースでは何が起きていたのかチームとともに検証していきます。次戦はノーウエイトですし、クルマは良くなってきているので、結果を求めて走ります」

【GT300】


GT300クラスには4台のNissan GT-R NISMO GT3が出走し、予選14番手からスタートした#56 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ / 平手 晃平)が好ペースでの追い上げを見せて4位に入り、#62 HELM MOTORSPORTS GT-R(平木 湧也 / 平木 玲次)も13位に入賞しました。